業務用アンプについて

業務用アンプについて
業務用のスピーカー(アンプ)と家庭用スピーカーの違いや選び方について
①ローインピーダンスとは、
アンプ1チャンネルにつきスピーカー1台の接続が基本です。
スピーカーの許容入力数のうち、「連続プログラム入力(RMS)のW数と同数値~その半分程度のW数のアンプを 選ぶようにしましょう。
②ハイインピーダンスとは、
使用するスピーカーの合計W数以上のW数のアンプを選びます。
アンプのW数以上のスピーカーを接続した場合、アンプの故障につながるので注意してください。
アンプの種類
【ボックスタイプ(箱型)】 いわゆる露出タイプ。天井が低かったり設置台数が少ないと、店内全体に均一なBGMを流しづらいので、その場合は台数を多めにして一台あたりの音量を下げるなどの工夫を。 |
![]() |
---|---|
【天井埋込タイプ】 意匠上、スピーカーを目立たせたくない場合に。ボックスタイプ同様、天井が低い空間や台数が少ない場合、聴き位置によって音量差が生じるので、均一なBGMが欲しい場合は台数を多めに。 |
![]() |
【広指向性タイプ】 天井埋込タイプにディフューザー(音響拡散器)をつけたもの。一般的なものに比べ少ない台数で同等の音圧分布を得られる。スピーカー直下でうるさくない独特の音色が特長。天井の低い空間のほか、会話を楽しむ空間、上品な空間演出を狙った店舗に。 |
![]() |
【特殊形状タイプ】 (ランプ型、ピラミッド型ほか) ピラミッド形状や、ランプ形状(市販のランプソケットに取り付けられるようになっている)など、スピーカーを意識させないデザインのスピーカー群。専用ウーハーと組み合わせることで想像以上の再生音に。店舗内装デザインと上手く組み合わせて。 |
![]() |
設置する場所によっての違い
業務用スピーカーといっても、上記のように様々な種類があることが分かったと思います
。
設置する場所や目的によって、種類の選択・接続方法が変わってくるのです。
スピーカーの機種選定に先立ち、プランの対象施設の性格や予算等の確認をしましょう

-
暗騒音レベルの確認
暗騒音とは、その空間に特有の喧噪のことです。発生源は場所によって多様で、他人の会話、雑踏、空調、各種機械、各種交通機関などが混ざり合ったものです。BGMに必要な音量(音圧といいます)は、この暗騒音レベルより少しだけ大きな音量(後述)です。以下に主な施設における平均暗騒音レベルを記します。
1.レストラン・飲食店 2.百貨店売場フロア 3.CDショップ 4.パチンコ店 60〜65dB 65〜70dB 80〜85dB 85〜90dB -
BGMの音圧
ヒトが2種類以上の音を聞く際、1つの音が大きくなると他の音が聞きづらくなったり聞こえなくなったりします(この現象をマスキングといいます)。そのため、BGMは暗騒音レベルより一般に3dB程度(※)大きくすると良いとされてます。(※:一般拡声目的では6dB程度といわれています)
1.レストラン・飲食店 2.百貨店売場フロア 3.CDショップ 4.パチンコ店 65〜70dB 70〜75dB 80〜90dB 90〜95dB -
スピーカーの配置間隔と台数の決定
スピーカーの台数を決定するには、根拠として音響理論の知識が必要なことも確かですが、今回は店舗BGMシステムプランニングに必要と思われる目安をご紹介します。
天井埋め込みスピーカーを分散配置する場合
天井高(m) スピーカー間隔(m) 一個のスピーカーがカバーする面積(㎡) 25以下 25〜2 12.5〜25 25〜45 3〜6 18〜36 45以上 45〜9 40〜81 間隔を広くとればそれだけ音圧にムラが生じます。最大間隔をとった場合で3〜4dBの音圧差が生じますので、スピーカー台数は余裕をもって計画しましょう。
ボックススピーカーを分配配置する場合
スピーカー1台あたり、直径7〜8mの円内をカバーするイメージで配置すると良いでしょう。
5.インピーダンスとスピーカー配置
-
- ローインピーダンス方式
- アンプとスピーカーの間にトランスを介在させず、直接スピーカーを駆動する方式です。ホームオーディオやカーオーディオなど様々なシーンで使われていますが、配線距離が長くなると音質が劣化するなどの欠点があります。
-
- ハイインピーダンス方式
- 一台のアンプに多数のスピーカーをつないだり、スピーカーの配線距離を長く引き回せるように考案されたもので、アンプとスピーカーの間にトランスが挿入されており、「定電圧伝送」とも呼ばれています。音質はアンプとスピーカーだけでなくトランスの性能に左右されます。
BGM用サウンドシステムには、一般にローインピーダンス方式が高音質を得やすくて好ましいとされていますが、先述したように配線距離が長くなると音質が劣化するため注意が必要です。
-
- スピーカー配線
- ローインピーダンスの場合、音質劣化を防ぐには、スピーカーとアンプ間のケーブル配線距離を太く短くする必要がありますが、経済性を考慮した場合のケーブル導体断面積推奨値は配線距離20mで1.25mm2(理想的には2.0mm2)程度です。
20m以上の配線距離が見込める場合は、ハイインピーダンスタイプのシステムを選定するとよいでしょう(1.25mm2ケーブルで300m程の配線が可能です)。